ああ

 こういうのを「リア充」て言うんだ、と思いあたった。

>「上手くなくても楽しめばよい」という、個性や趣味だってあり得ますよね。
http://d.hatena.ne.jp/tenkyoin/20090227

 たとえば、あなたが零細企業の人事採用担当者だったとする。当然ながら給与や待遇で引っ張ることなんて出来ないので(雇ったあとの支払う交通費がなるべく安く済むよう)近所の大学の就職部や職安やどこそこに求人票をバラまき、ろくに相手してもらえないでもどうやら面接やらSPIやら経由して、これはもしかしたらとゆーよさげなひとと管理職(零細だから社長しかいない)との最終面接まで持ち込めたとする。

 その面接の場で、しゃちょーが突然にごく最近こりはじめた素人俳句(季語ナシ、定型ナシ)を披露した、としよう。

 その俳句は個性だろうか。趣味だろうか? それとも仕事、コミュニケーション、社風のアピールだろうか。俺はなぜ社長に面接の段取りについて細かく打ち合わせておかなかったのだろう。打ち合わせたところでいったい誰が初対面の新卒者に自作の俳句を披露するななどと先んじてフォローしておけるというのか。いやしかし新人採用に俳句を披露するのがダメなどというのは俺の勝手な思い込みで、こういうちょっとしたアピールこそ個性的な人材が触発されて入ってくれるきっかけになるのかも。SPIだ面接だと、俺はあまりに型にはまりすぎてないか? だいたい営業マンだったら取引先の趣味に合わせてみせるなんて当り前じゃないか。そういう柔軟性を備えた人を見抜くにはむしろそうした振る舞いこそが大事と言えるやも。

 とかそーゆーことを暫くぐるぐる考えたあと、なんで俺はこんなどうでもいいことを考えてるんだろうと落ち込み、死のう死のう、すぐ死ぬ今死ぬと呟きながらまた次のバラマキ用の求人資料を書く。個性って何だ。趣味と仕事が綺麗に区別なんてできるのか。