こんにゃく

 って、言うらしいですよ。ネットで「こんにゃく」言うたびに「あー無理やりに平仮名略称を付けんのうざってー」とか思ってたんだけど。

 さておき「この青空に約束を―」。

 序盤の第一印象は「洗練された『春萌』(設定があからさまかつひかえめで文章・画面演出にそつがないから)、もしくはウザくない『Cross†Channel』(設定があからさまかつひかえめで文章・画面演出にそつがないから)」みたいなんですが。両者の中間、て言うと「この青空に約束を」(愛称こんにゃく)に失礼ですかね。上の二つより面白いしね。

 なんかねー。
 やってくと某ヒロインシナリオで「マヨイガ」言い出すし、あるいは某ヒロインシナリオで

>あるはずのない、別れの場面を、記憶とは名ばかりの、妄想という領域から呼び出して、履き違えた。

 とか言い出すし。ご丁寧にオルゴールのBGMに鉛筆書きテイストのCGのついた回想シーンみたいなのくっつけてくるし。こーゆーのはもう古典なんだねぇ。

 そつがない外さない。もう次の世代なんだなあ、とか思います。ここまで綺麗にはみ出さず纏めてくると、もう完全に昔の少女漫画の学園物(部活物)や擬似家族もの、例えば『エイリアン通り』とかの系譜と思ってもまるで差し支えないですね。

 実際、全てを追いかけて読まなくてもいい形の、それぞれにきちんとオチのついた断片化された小エピソードごとに区切って、それを文中選択肢じゃなく、キャラクターアイコンと場所指定を添付した小タイトルを選ばせる形で作られてて。これは連載漫画の1話ごと、エピソードごとで区切って読ませていく形と、ほぼ同じで。『 ONE 』なんかの、カレンダーの日付を追いかけていく、日々の変わらない生活の繰り返していう区切り方とは位相が完全に異なってる。『 Cross†Channel 』なんかと比較して、ノベルゲームの呪縛のひとつが日付ていう時間の区切りであることを非常によく示しています。何もない日を飛ばすのは『 ONE 』でも『 Kanon 』でもあったけど、日付表示があるから「飛ばされてる」ことがハッキリ目に見えるのね。あるいは『月姫』では普通のエンターテイメント小説を目指してるはずなのに、日付を飛ばさない。