続き

いや、「Fate/hollow ataraxia」ね、プレイしてての実感で何に一番近かったのかっていうと、「Prismaticallization」なんです。冗談じゃなく。
Fateのファンディスクとして日常のギャグ・萌えパートを冗漫に山ほど詰め込んで。(しかもそれは奈須きのこじゃなく別の人間が書いたシナリオで、これがまた、すぐ飽きるつまらなさでね)
そういう「ファンディスク」として要求されてるシナリオをこなしつつ、もう一方の、二人の新ヒロインが出てくる裏シナリオでは、その「楽しい日常」をわざわざ「約束された四日間」として呼び寄せたことへの葛藤が語られる。
そんでさ、シナリオの結末に、この四日間を終わらせるわけなんだけれども、そこで、シナリオとして「飽きたから終わらせる」って律儀に書いてるのね。ホントに、100%読もうと思ったら冗長すぎて大概の人が嫌気がさすようなダラけたシナリオを山ほど用意しておいてさ、それによって「飽きたから終わらせる」の言葉がこの上なくリアルになる、ていう。

こんなん、いい加減にしろよって思うんだけど、でも全体としてきちんと纏まってるのよそれで。

プリズマでろくに手がかりを与えられないままに100周、200周、ぐるぐる回ってさ。いつまで経っても先が見えない焦燥感と倦怠感、それを「大量のテキストを読ませる」で再現するって、普通なら考えてもやらないでしょ。そんなん誰も読まないと思うから。でも、やるのよ。

頭がおかしいと思うけど、それでも、小説のバリエーションの一つの形として、僕は肯定するしかないと思う。こんなん技巧じゃないと思っても、そうですね、倫理的に正しいんですよ。遥かに優れた文章技術で構成されたクロスチャンネルより。倫理的な正しさと面白さは違うし、面白ければ何でもいいというのであれば、(あの文体が許容できるなら、だけど)クロスチャンネルでいいの。

話がまた脱線したけど、ホロウとは別の意味で、「空の境界」はあっさり切り捨てるのは出来ないと思います。
なんだろな。ロック? パンクロックかな。あるいはドラムだけ叩いてるような。「俯瞰風景」は。

そいやホロウで「あなたってロックスターみたい」てカレンに言わせてて、それはお前、流石に自己陶酔しすぎだろ、と思った。そこんとこはタイプムーンを憐笑してやるとこ。