ピーチガール

やっぱり土曜の朝はいいねえ、ということで。今現在、一番楽しんで見てます。
まあ主人公の描写からして「水泳やっているせいで顔黒・金髪の遊んでる子に見えるけど、本当は家庭的な恋する女の子なの」「男の子に愛されて守られてあたしは幸せ」てなもんで、実にわかりやすい古典的差別意識丸出し娘でね。フェミニズムな人から見たら噴飯物な典型的古典少女漫画フォーマットの主人公で。基本的に脚本演出全てにおいて、どこの昼ドラだよ的やりすぎ感が濃ゆく漂ってて、主人公のそーゆー頭悪い位置付けも嫌ってほど強調されててね。
ごめん大好き。もっとやって。むしろこういう微妙なラインで綱渡りしてる楽しい話を叩かれないためにも他のどうでもいいところで自制して欲しいよなと思う……いや失敬、ひとり言ひとり言。
 
少女漫画恋愛格闘路線ってのが僕の中ではありましてですね。えーつまり、ジャンプ格闘路線だと

敵現る>バトル>勝利>もっと強い敵現る>バトル>勝利>もっともっと強い敵現る>バ(略)>勝(略)>もっともっともっと強(略)……

てな感じで強さのインフレが延々と続いていくんですけれども、一部の長期連載少女漫画における恋愛模様てのは、かなりそれに近い。つまり、

主人公恋する>最初の三角関係(女二人男一人)>ライバルを退けて恋愛成就>イケメン登場>次の三角関係(男二人女一人)>誘惑を退けて恋愛継続>新たなライバル(カレの過去を知るオンナ)登場>次の次の三角関係(女二人男一人)>ライバルを退けて恋愛継続>カレそっくりの男(お兄さんとか従兄弟とか)登場>次の次の次の三角関係(男二人女一人)……

といった。まあ大体、人間関係のバリエーションなんて現実的に見てさほどのパターンはないので、長期連載になるほど上のパターンに当てはまっていきます。上手い話は次の三角関係への伏線の張り方が巧妙だったり、複雑になりすぎない程度に複数の三角関係を同時進行させていきます。何で四角関係、五角関係って言わないかというと、主人公と主人公の本当に好きなカレのラインが揺るがないため。少年漫画と違って常に勝ち続けなくても一時的に別の男にヨロメクことも可能ではあります(それやると主人公が読者から嫌われるんだけど)が、どこまで複雑になろうとも基本となる最初の二人は愛しあっているんだ、というポイントは最終的には守られなければなりません。そのへんの読者の要望に根ざしたジャンルフォーマットの直截的な表れ方が実にドラゴンボール的だよなあ、と思うわけです。
そんな調子で10巻も20巻も続いてる恋愛漫画(そんなんばっかです、ホントに)読んでると、やっぱり「NANA」は上手いし面白いなあと思いますよ。
てなわけでジャンルフォーマットに実に忠実なピーチガールですが、敵キャラの敵っぷりがあからさま過ぎて、実にいい感じです。柏木さえちゃんが素敵。執拗に主人公を追い続ける執念深さが、えーとアレです、和月伸宏言うところのターミネーター的キャラクターです。MOTHER2のポーキーのような。あと岡安兄。なにもそこまで速水奨じゃなくてもいいのに。BL系のCDドラマの演技なノリで、カレが何かやるたびにゴロゴロ転がってます。
アニメでこれがやれるって、いい時代になったねえ。