スタードライバー 輝きのタクト

 キラ星とかゆってるわりに、登場人物らがあまりはっちゃけない。アンニュイとデカダンと、あと言うほどもない単なる遅延で、殆ど全ての登場人物がほどよくダラけており、結局、その対比として相対的にタクトが輝いてみえる、というような位置づけ。あるいはタクトを輝かせるために、他の登場人物のはっちゃけが抑え気味になってる。どいつもこいつも好き勝手に自己主張するたぐいの熱量には欠けているし、落ち着いた雰囲気を味わうにはキンキラの飾り付けがちと多すぎる。

 キラ星の女性陣はみんな「裏があって言い寄ってるんですよ」的な言い訳ばかりが先に立ちすぎていて、本気でタクトに言い寄ってるように見えない。タクトくんは、IS学園にただ一人の男子生徒として入学し、箒やセシリア、シャルらとの学園生活を送っている状態でもって「やりたい事とやるべき事が一致する時、世界の声が聞こえる」と宣言すべきだった。シャルに「タクトくんの、えっちぃ・・・」などと呟かれ、一緒のお風呂で背中が胸にあたり、なんかもぉ辛抱たまらん状態でもってこそ、「セカイの声がきこえる!」と咆えてて欲しかった。

 相対的でしかないような少年の輝きなんて、ちっとも輝いてみえないと、思いませんか。