畳マットにゴロ寝がいちばん落ち着く

 フツーのアイデアマン社長が無茶な新戦略を押し出しても通常の企業間取引なら大半相手先に断られて終わりだが、全国一律サービスで一斉に開始するからつって無理筋が押し通るからインパクトが違う。(それらのサービスや新商法はイノベーションとは言いがたい。セブンの新サービス内容を振り返ってみれば判るが内容そのものは基本「借り物」で、上手くダウンサイジングして組み込んだとかでないので。新サービスはじめたら店舗にかかる負担が純増じゃ、ぜんぜんイノベーションじゃねえし。ワイシャツクリーニングサービスがあったのを覚えてるだろうか。おでん並べた横で汚れたワイシャツ受け取ってたとゆー)

 コンビニ急成長はいろいろ日本独特のシチュが紛れ込んでて、コンビニシステムの成功というわけじゃない。時代の追い風はさておくとしても、「アメリカの文化がおらが村に」的なセブンイレブンブランドイメージのアドバンテージ、頭のおかしいアイデアマン社長の託宣、それを強引に突っ走らせるPOSレジデータという守りの盾(来客分析である以上はPOSデータはどこまでいっても守りで、セブン独占体制だった頃なら珍妙アイデアを突っ走らせるだけの防御力があった)、そのセブンの成功を追いかけて「2番手、3番手が取りこぼしを取りにいく」(コンビニの基本スタイルがここで発揮される)。

 閑話。一応確認だがコンビニ契約のなにが「豊田商事以上の欺瞞」なのかとゆーと、組みあがってるシステムと現実とのすり合わせのアンバランスさ加減である。マルチ商法だって契約文書だけ見たら別に間違ったことは書いてない(人口が無限大で全員に余剰の収入があったらマルチ商法は成立する)。ただ現実にやってみると破綻し上手くいかない机上の空論に基づいた純粋で完璧なシステムだから、マルチ商法は詐欺扱いで禁止される。コンビニの店舗契約もフランチャイズ展開方法論も同じことで、小売の商才を一定以上見込める人材をきっちり確保しつつ良い立地の店舗をドミナント出店に足るだけ確保できるわけじゃない。コンビニは、スケールメリットによるメーカーとの交渉、集配センターや配送ルート、全体の売上増に足るだけの出店増、次のオーナーになりたいと思わせる「誰でも頑張れば成功する」魅力等々を維持するため、契約書をあまり読まずサインするあまり商才のない人とも契約してきたが。さてどこまでがどっちの責任なのか。