長さとのかねあい

 もともと、『はじめの一歩』の、70巻を超えちゃう長さにちょっと閉口してて。
 ワンピースが10年を越してしまったことも、やっぱ微妙に嫌で。

 台詞の密度とか、昔の漫画に比べてえらい少ないんで、読むとあっという間なんですけども。大ゴマが増えたから巻数が増えたってのもわかる。漫画の裾野がとてつもなく広がってて、その頂点にあるわけなんで、長いのも必然ではある、と思うんですけども。

 少年ジャンプやマガジンの漫画に変な人生の意義を見出されるようなブログ記事を見るたびに、仕方ないと思いつつも、気持ち悪くて。

 ああいや、気持ちはわかるんだけど。僕も『バガボンド』を読んでると「昔、『プレジデント』とかで戦国大名に自己を投影してしまってた会社の社長って、こんな気持ちだったのかなあ」とか思ってしまうもの。なんか、悟った奴から順にゴールしてってさ。もはやサラリーマン漫画の筆頭よね。

 なんだけども、ところどころで、「少年漫画とは」って前置きを作っちゃう、あのSFマインドは何なんだろうと思うたび、10年を越すような長期連載陣に対して何かモニョモニョ言いたくなってしまうわけです。いっそ「少年」って肩書きを外して欲しいわ、とも。