群像劇ではなく

 群像劇ではなく、群体劇という言葉を使いたい。

 群像劇という言葉だと、『あずまんが大王』や『苺ましまろ』を取りこぼしてしまう気がする。でも実際に今、群像劇としての扱いを受けている代物が、そのへんと無縁であるわけもない。

 たとえば『ハチミツとクローバー』や、あるいは『School Rumble』ですら「はてなキーワード」あたりで「群像劇」という説明がなされてしまうというウソくさい状況なわけだけど、スクランと「あずまんが」が無関係だと言える奴はそう多くはないだろう。「あずまんが」フォーマットを前提にしなければスクランは出現しなかったし成立しなかった、てのは初期読者の実感のはずである。

 つーことで、『あずまんが大王』の系列は「萌え4コマ」、スクランや『げんしけん』あたりが群像劇、とフォーマットで切り分けられ別扱いされてる現状では、いろいろ見落とすだろうというのが個人的意見であり、そのあたりを全部つなげて話したいので、共同体で人が緊密にくっついて群れてる描写が中心の代物を、まとめて群体劇と言いたいのであった。

 や、言葉はどうでもいいんだけど。群体でくくれば、「あ〜る」や「パトレイバー」がどうこう言ってる向きから「とらいあんぐるハート」「リリカルなのは」までカバーでき、さらに進めてけば『コードギアス』と『 To Heart 』を当り前のように並べて語れるわけである。

 そういうふうに連続させとかないと、中間領域の隙間で稼ぎに走る悪趣味な代物が出てくるし、そこに群がりたがるのも出てくるからなー、とも。