「好意が回数で測られる」

http://homepage1.nifty.com/fluorit/douca/diary/air5.html
について整理しとく。
この発想は、基本的にはマップ画面でのヒロイン選択に沿って述べられている。ネタ主はそこから同じ話題を何度も繰り返すキャラクターたちについて話を展開させていくのだが、それはひとまず置いておこう。
このマップ画面経由前提における回数という考え方は、繰り返しと積み重ねの二つの組み合わせで成立していて、この二つは実を言うと必ずワンセットで出てくるわけではない。それなりに特殊な事情で組み合わされている。ちなみに回数と対となるのがビジュアルノベル的選択肢だが、こちらは選択(意思決定と言うと語弊があるが誰かの意思の連続性を成立させていくことだと思っとけ)と分岐の組み合わせ。
で、繰り返しは広がり=パースペクティブ(と記号を経由した並列性)に拠るもので選択は繋がり=ナラティブ(と全体性を経由した階層性)に拠る、積み重ねは階層性(と量を経由した繋がり)に立脚し分岐は並列性(と質を経由した広がり)に立脚する。
とりあえず大事なのは、回数はパースペクティブな発想によって成立しているということ。言い出しっぺ(http://storybook.jp/)がポジログとか知球とかそーゆー発想に立脚したものばっかり作ってるから判りやすいんじゃないだろうか。まあ大雑把に言って、ナラティブな形式から見失われていくものにも敏感な人なのである。
で、もともとの話は試行錯誤しながら設定された目標を追いかけていくゲーム攻略的な要素がギャルゲーから排除されていることへの感動なのだけれども、ヒロインと男性主人公の恋愛成立が唯一のゴールではなくなった現在、選択肢もまたゲーム攻略的な要素とは言えなくなっている。極端な話、どうせ最初からヒロインと男性主人公はラブラブなので、選択肢はHシーンを見たいか見たくないかの話でしかなかったりする場合も多い。
では、シナリオの中で何度も同じ話題を繰り返すキャラクターたちの、話題の回数について考えてみる。これは端的に繰り返しであり、積み重ねの要素はヒロインと男性主人公の間においては抜け落ちている。つまり、同じ話題を前に振ったことをお互いスルーするから繰り返しが成立するのである。そして該当するキャラクターは幾つかの話題の中からその話題を選んだと考えるなら、そこには選択の要素が入っている。ここでの回数は、繰り返しと選択の組み合わせである。それがどーゆーことであるかは構成要素を並べれば一目瞭然だったりする。ちなみに積み重ねと分岐を組み合わせるとどうなるかも一目瞭然ですね。
整理するのが目的の文章なので、オチはありません。