http://d.hatena.ne.jp/rulia046/20060425/p1
TRPGの論考に本気で突っ込むと大変なことになるんですが。エロゲなんぞよりよほど論者が多いし。

とりあえず、それっぽい例文。

  • 「妨害的端役の人間テクスチャ」

http://d.hatena.ne.jp/ityou/20051108

GM「じゃあワンダリングモンスター表を振るよ。えーとゴブリンが5体にホブゴブリンが3体。遭遇チェックは…君達の側の奇襲だ。」
PL「そのモンスターたちが本当に悪い奴等なのかどうか、周囲の村を回って確認します」
GM「いや、こいつら本当にただの雑魚だから。奇襲していいよ。ゲームが進まないから。TRPGっていうのは、そういうものなんだよ。」

・・・

 重要ポジションに置かれているならよい
異民族にモンスターテクスチャという指摘は、そのむかし山本弘先生がソード・ワールド・リプレイのごく序盤(第1部第6話『モンスターたちの交響曲ISBN:482914243X)でやった。このリプレイはそこそこ人々に影響を与えていると思われる。しかし一度そういう大きめの舞台で取り扱われ、演じられ、解決されたテーマであっても、後人は「もうそれについては語られたのだから」と軽く扱ってはいけない。そのテーマは戦闘システムを持つTRPGでは常にあることだ。そしてスポットライトが当たっていない間はまた舞台裏に戻って、未解決のままでありつづけ、伏流している。忘れては危険だ。
このテーマを舞台に上げて、スポットライトを当てて、その一幕で解決することはできる。つまり重要ポジションに置けば解決できる。つまり重要ポジションに置いた時の、その一時的にしか解決できない。そういう問題だからこそ物語として魅力があるとも言える。

ちなみに、僕はこの回のリプレイ嫌いです。て話をすると嫌がられるんですけど。
あと、

つまり、“単位時間あたりの問題解決能力”が高いのがとりあえずの上級者プレイヤーだ。
http://d.hatena.ne.jp/D16/20060209

とか。いろいろ。
このへん、何でもTRPG、と一言で言い表すほうに無理があるてのもありますし、同じシステムでも使い方が違うてのもあります。実際の頭いい人たちのプレイを見てると、「どういうプレイがしたいか」みたいなレベルまで踏み込んで相手の思惑や願望を読み取ろうとしてる様子が伺えて、極端な言い方するとアドリブな物語の作成がやりたい人とサイコロたくさん振りたい人との水面下の対立とその調整みたいなことを毎回やりながらバランスとれるところに持っていきつつ、お互いに自分の胸の内の勝利条件を達成すべく努力する、みたいなのがTRPGの最もゲームしてるところかなあ、なんて。中高生の頃だと場外乱闘になりやすいんですけど。てゆかなってたんですけど俺が。
まあ、ですんで、問題はTRPGを実際にプレイしてる人じゃなくて、TRPGやらずに(僕もここ3〜4年やってないのでかなり危ういのだけど)TRPGのセールスコピーをそのまま受け取ってTRPGは自由に物語を生成するゲームなんだ、ていう言い方をしてしまう人かな、と。TRPGの客引きの文句はいつだって「ほかのゲームより自由」だけど、4人も5人も集まって意見調整しなきゃいけないとなれば常識的に考えてその「自由」てのはえらく制限される。もしくは事前に綿密に打ち合わせてあってシャンシャンで進んでくので部外者の介入する余地なしになる、みたいな。

あと、物語を自由に語るてのは大変だからってことで、それを補助するためのルール作りてのが結構たくさんあります。手近なのだとこんなのとか。

その昔イースRPG(テーブルトーク)というのがあって、このなかには「ヒロイン」とかそういう職業があったように思う。凄いのはレベルがあがると「出生の秘密」を獲得できる(実はどこそこのお嬢様だった、とか)ことであり、さらにレベルが上がると「第二の出生の秘密」(実はどこそこのお姫様だった)を得ることができるのである。
http://imaki.hp.infoseek.co.jp/r0210.shtml#6

ほかにも、ドラゴンハーフRPGスレイヤーズRPGなんてのも、原作ちっくな物語作りを再現するためのルールが盛り込まれてるわけです。もっと大枠で言えば「クトゥルフの呼び声」のSANチェックてのも物語展開を規制する流れで。邪神を信仰する側になるとSAN値ゼロ扱いになって、プレイヤーキャラクターであっても自動的にキーパーに引き渡さないといけない、とか。ちょっとユゴス星の昆虫生物の気持ちになって行動してみよう、てのはゲームのフォロー外となる。
あと「ロールプレイをしやすくするためのキャラクター性格決定のルール」なんてのを入れ込んだゲームてのもあるわけで、ちょっとすぐには名前出てこないんだけど、グッドとかイーブルとかそーゆーんじゃなくて、もっと具体的な性格要素をどんどん突っ込んでく。そういうふうに「ロールプレイ」「物語生成」の部分をルール化するていう手法が真剣に取りざたされ続けてること自体が「TRPGの自由さ」てのの反証になってる。