わっきー

http://blog.livedoor.jp/heta_kan/archives/19281838.html
内容は同意しないけどキャッチは同意します。「和月以前・和月以後」の話ね。以下はとりとめのない思い出し話。

  • 和月伸宏より以前は「少年漫画とは」などと意味不明のアイデンティティを主張することはなかったと思います。
  • コミックの作品解説や裏話。あれは同人誌的であると同時に、少女漫画の四分の一/三分の一スペースに近いものです。作者の立ち位置が読者に極めて近い。
  • 「メテオ・ストライク」という読みきり作品が「るろうに剣心」の単行本に収録されていますけれども、これは少年漫画の単行本としては珍しいです。通常、少年誌系の連載物の単行本に収録されるのは表題作との関連のある作品まで、例えば「コータローまかりとおる!」であれば連載の元となったデビュー作などが収録されます。あるいは連載の中に登場する人物のアナザーストーリー。同じ作者の、全く関係ない短編を連載単行本の中に収録するのは少女漫画の単行本に近いと言えるでしょう。
  • アニメの声優に元宝塚を採用するのはやりすぎですが、誰が支持してたか明瞭にわかります。
  • アフタヌーンの「無限の住人」と「るろうに剣心」は同じ頃にスタートしています。それぞれの単行本1巻は同年同月の発売。洋風ファンタジー一段落後の、時代劇ではない和風ファンタジーの潮流として両者はスタートしました。最初はハッタリかまし漫画だった「無限の住人」が政局的な話も絡めた時代劇人間ドラマへとシフトし、当初は明治政府のお偉方を遠慮なく登場させるなど政局がらみの話を絡めた時代劇風味の人間ドラマだった「るろうに剣心」がハッタリかまし漫画へとシフトしていく、そのあたりの両者の入れ替わるかのような変遷が興味深かったのを記憶しています。
  • まあ、何をどう言っても「るろ剣」は2巻で完結してるよね。
  • 「女性が戦う」「子供が戦う」は、明らかに和月伸宏の残した遺産です。「少年」と「子供」は別枠です。「聖闘士聖矢」の主人公の設定年齢がいくら幼くても、彼は「少年」です。一方で弥彦はバトル水準から見て明らかに「子供」です。しかしそれ以上に「女が戦う」が大問題で。ワンピやブリーチ見ればわかりますが「女も戦う」を採用しつつも実力差だなんだかんだと理屈をつけて女を「守られる立場」に追いやってます。このへん、ツッコむと最も危険な話題になりかねないのでパスいち。
  • 武装錬金」の5巻あたりでハッタリ表現について述懐してますが、ジャンプ作家として要求されるハッタリは最初から現在に至るまで書けてない人です。
  • そもそも日本刀を持って人死にの出ないバトルてのは無茶です。
  • 要するにやっちゃいけないタブーとされてたことをことごとく破っていったら作者の足元が狭くなったんだな。そして「やっていいこと」「やったらまずいこと」をきっちり掴んで回収していったのが和月以後、と。
  • 昨日付けで書こうとして書き損ねたのですが、「これぞジャンプ漫画」はあっても「これぞ少年漫画」はないんです。和月伸宏はそれを理解しない。
  • 女性の漫画読者って、全巻揃いで古本屋に本を売ります。少女漫画は全巻揃いが入手しやすい。

気が向けば追記するかも。
続きました。id:tdaidouji:20050420#p1