久保帯人「BLEACH」JC

今更なんだけど、書店で帯に「小学館漫画賞少年向け部門受賞!!」って書いてあって、「鋼の錬金術師」の翌年にコレが受賞ってのは世間で言うところのガンガン系に近い作風でトライガンのパクリくさいキャラクターと舞台で「右手が鎧の主人公が不死の秘薬を求めて旅をする」ていうハガレンに似ていなくもない(そんな話はざらにあるけど)設定の「ZOMBIE POWDER」が打ち切りになってる作者への嫌がらせかと思いました。
はっきし言ってブリーチよりゾンビパウダーのほうが好きですしアニメ化された奴も見る気がしないんですが、しかしウルルだけは…琴原みゆにそっくりなあの娘だけは手放しません。じゃなくて。
んーと作者の人は「イマドキ同人」臭いだけだと思います。実際に同人歴があるかないかは関係なく。間違ってもかつて奥瀬早紀が苦し紛れに吐いた「大事に抱えてたらメジャーになれない少女漫画志向」なんぞではない。胸のでかいねーちゃんが出てる時点で違う。いやウルフィーナのHカップはとても素敵だとは思うのですけれども、しかしあの胸を描いちゃう作家を少女漫画みたいって言っちゃうのはデビュー当時の作風を捨ててなお肉のついたねーちゃんを描かない青山剛昌に失礼だと思うのだな。この場合の少女漫画ってのは肉体が存在しないキャラクターをそのまま絵にしたから乳が描かれなかったってことで、微乳とか貧乳とかロリとかいうのと根本的に違います。貧乳ってのは巨乳の概念が定着した後に「巨乳じゃない」ていう意味で考え出されたもので、では巨乳って何かっていうと記号ですから。身体の他の細部は揺らさなくても胸だけは揺れるっていう時点でアレは身体から一度切り離されてから再装着されたものだと考えなければならないわけです。ここで安永航一郎「巨乳ハンター」の変身によって装着される胸を思い出して欲しいのだけれど、あの主人公の変身前の胸を見て「胸の小さい女性」と見なすのは連載当時ですらけっしてコンセンサスを得ていたわけではないのね。サンデー誌上において「らんま1/2」の胸は連載当初驚きや違和感の表明をもって迎えられたのだし、あだち充の描くヒロインのスタイルをして貧乳、微乳などと言う奴はいなかった。「巨乳ハンター」の「変身後の胸の正体は肉まんだった」というポイントの批評性と先見性については、萌え文脈を語る人(ササキバラ・ゴウとか)は積極的に取り上げなければならないと思います。