共産党が地に足ついてないというのだが、それは勿論そうだが、共産党と同じぐらい地に足がついてないよね自民党にしても東浩紀にしても、という話

ミンス政権になる前に、自民党がいいかげん末期な感じだった頃に、煮詰まっていった結果として共産党に支持が集まるのを警戒した既存政党がなりふり構わない共産党弾圧に走ったりするのかなあ、みたいな呟きを書いたことがあって。
http://d.hatena.ne.jp/tdaidouji/20081021
したら、今回、なんか色々そういう流れっぽいじゃないですか。
まあ、もともと日本の官僚機構を軸とした国家運営からすれば、共産党てのは最初から国家の枠組みから外れているので、大半の人からすれば、共産党が得票するってだけでイコール国家の危機と捉えるんでしょうけど。
んで、これ。
http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/hazuma/status/358984438501224448
東浩紀共産党を嫌う理由の一番大きいのは、彼の商売が、
「世の中に不満のある若い衆をつかまえ、その不満をうまいこと吸い取って、若い人の代弁者であるかのように振る舞う」(ある程度まで歳を取って知恵をつけると東浩紀のつかえなさに気づくので喧嘩別れするか分家してマルチ商法の次の教祖のような感じでプチ東浩紀になる)
てーのが基本なので、このさき共産党が、彼個人の商売敵になるから叩いておこう、てことだと思います。思想的な話とかもあるだろうけど、それは二の次の話ですね。

理想論からすれば、まあ確かに、自民党共産党て、同じ穴の狢なのは確かなんですよね。どっちも理念そっちのけの泥臭いところでしか動かない連中でさ。その結果、言葉は上滑りして、美しい国とかゆったり、放射能の危険度がどーとかゆったり、やたらに煽る方向の談話が目立つわけですが。
んでね。
実際に、ロビー活動ぽいことやってみたり、頭数動員つーて自民党本部の建物で激励会とか聞いてたり、そゆことやってると、むしろ「リアルな、地に足のついた視点」てのが、すごく気持ち悪かったりするんですよね。
実際にひな壇に業界団体の会長とか理事長とかが並んで自民党を応援してるでしょ。彼ら、もしかしたら金と女と権力に溺れた日々を送ってるのかもしれんけど、それなりの、1%かもしれんけど、まあそれなりの割合で「世の中がよくなるためによかれと思って」動いていてね。それはこっちが「二次元の女の子のため」って基準で動いている、その行動原理よりも、「現実とむきあっていくため」としては真っ当なんですよ。
んでね、「二次元の女の子」を軸にしている視点から見たとき、彼らは、大局とか理念とか、どうでもいいんだなってのが、すごく身にしみて判るの。理念より目の前の現実なの。自分の半径10mだか100mの現実で動くんだよね。
官僚も同じでさ。日本の役所って、実際に行くと、実はけっこう融通がきくんですよ。政治家にお願いしたりするのも含めて、政治家にお願いしなくても、まあ、それなりにね、話は通じる。けどさ、一方で、それは「融通をきかせたらまずいところまで融通がきいちゃう」って話でね。役人って基本的に勉強ができるから、小手先の書類操作でやれることって多いんだけど、でも、あえて杓子定規に、やっちゃいけないよね、ってのがさ、あんまし存在しないんだろうなって感じるの。官僚は官僚で、やっぱり自分の半径100mだか1000mの範囲(地頭が良いから半径は大きい)の現実で動いてる。
彼らのそれはさ、「二次元の女の子のために自分は何ができるだろう」ってのが、あんまし感じられない。
二次元の女の子を中心にすえるっていうのは、手に入らない、何もしてあげられない、干渉できない、絶対ですらない、けれど、だからといって無関係と切り捨てることはできない、そういう戦いがありますからね。二次元の女の子というのは、例えばキリスト教の神様やなんかのように偉い権威が肯定してくれることもないですし、社会的にも肯定されませんから、既存の枠組みにはまることもできません。かといって、自分で勝手に自分の現実を作り上げることが許されない。フィギュアを買えば満足するのか、違うそうじゃない、俺の嫁宣言すればいいのか、他人に誇示して本当に自分と二次元の女の子はきちんと向き合ったことになるのか、等々。二次元の女の子と二人だけの現実を作ろうとしても出来ないという挫折が、それこそ何度も何度も待っていますから、その挫折があってもなお二次元の女の子と向き合おうと、そういうふうに考えていくと、現実的である、というのが肯定されないんですよ。かといって現実逃避の理想論に逃げることもできない。なんせ二次元の女の子は手に入らないから。現実からも理想からも拒絶されてなお二次元の女の子のために何ができるだろう、って、しつこくしつこく思う。
自民党ってのは利権ロビーの集合体ですけども、それらを積極的であれ消極的であれ(投票しないのも含めて)支持する、現実に日本を動かしてる官僚組織にロビー活動の経路という現実的な実体を見いだして肯定するっていうとき、そういう二次元の女の子と向き合う姿勢に欠けていると思うのですね。
かといって東浩紀のように、あっさりと「俺の嫁」を実体化させて事たれりとするのは、もっと卑小で、二次元とも現実とも向かい合う気がない。
さて。
共産党というのはやはりちっとも理念がない集団です。
なんですけど、彼らを揶揄するのに、「現実的でない」という言い方をする。放射能に関する知識がおかしいとか、TPPとか、まあ色々。
いやまあ、そうなんですが、政権与党がちっとも現実的でないことを言って政策を行ってるのと、言ってるレベルはあんまし変わらないわけで、だというのに共産党をして「現実的でないことばっか言ってる」という非難のしかたになるのは何でだろう、ということですね。
共産党が政権与党になることはあり得ないですが、政権与党を担った場合、たぶん自民党みたいに機能すると思います。やることは、あんまし変わらないので。