葬送のフリーレン

ハマり中。

作中設定が「人間よりはるかに長く生きる知性体」をどう扱いどう考えるかの一点突破で出来てるのすごい。

シナリオ担当者がSF系の作品出してるので、たぶんロボットと人間の組み合わせとかそのへんから発想を練り上げてったんだろうと想定。

魔族の「人間と言葉を交わせるけど真似をしてるだけ」という設定がフリーレンの在り方と対比されるように作っててなるほどなーと思ったんだけどもそっから読み返してくとエピソードが「やんなきゃいけないことを順番に着々とこなしてく」だったんですごいなとなった。

以下回想。

「人間より長寿のエルフが自分の長寿を嘆く」というのに異論を唱えるやつがいたのよ昔。

理屈的には「異なる生態の異なる生命が短命の人間の価値観にすり寄るの気持ち悪い」的な話なんだけども。

その当時に僕が出した結論は「そうは言っても言葉を交わしてしまう以上は言葉によって思考を引っ張られるだろうし人間と交流し言葉を交わし続ける以上は永遠の命を持つ存在だろうと人間の価値観にし準ずる思考をしばしば行うだろう」というもの。

昔そういうことがあったんで、「人間の言葉を真似するだけで内容を理解するつもりのない魔族」というのがフリーレンの対極側の存在として作り上げられたんだなと読んだ。

そのつもりでエピソード見返すと異なる価値観を置いた上で対話や共感を理性を通じて受け止め、他者を理解しようと努めることで自己を掘り下げてく過程について必要なことをエピソード化してた。

無駄な寄り道をしてるようで無駄じゃないぞコレ。しかもその「無駄な寄り道ばっかりしてるけどそれは意味があるんだ」を入れ子にしてテーマとして繰り返し打ち出してる。はっきり自覚的に積み上げてんだ。

ていう感じでハマりました。

そゆ意味では「勇者の冒険のその後」という売り出し句については「話をくみ上げてく過程でそうしただけだろうなあ」と思ったのでやっぱそこは全然ピンとこない。

あと出版物で読むとWEBよりかフェルンの髪のグラデーション処理が綺麗でそれだけで幸福。