「サイレントヒル リベレーション3D」

ゲーム原作の映画の続編です。
とりあえず俺が四の五の言う前にパンフの解説から引用。

サイレントヒル』はヒットに恵まれない数あるゲーム原作の映画化のなかでは、ゲーム版のファンだけではなく(中略)ホラー映画ファンたちをも魅了し、見事スマッシュヒットした作品である。ビデオゲームの世界観を壊さず、徹底した様式美をプロダクション・デザインへ踏襲し、クリーチャーたちが登場する絶妙な恐怖演出に加え、ストイックなまでにこだわったビジュアルセンスが開花したといえるだろう。コンテンツホルダーとのボタンのかけ違いひとつでゲーム原作がダメになるのを知っていた親日家のクリストフ・ガンツ監督。(中略)監督のエゴだけで作品を撮らず、愛あふれる情熱が隅々までちりばめられ珠玉の名作になった珍しい作品でもある。

ここまで前作ベタ褒めです。以下、続編となった今作。

(略)つまり本作はお化け屋敷感覚のアトラクション体験可能なポップコーン・ムービーなわけ。

えーと。
別物です(血涙
いや覚悟はしてたさ。前作の完成度の高さはハッキリ言って奇跡だった。そもそもゲーム原作の別メディア移植は全く別物でナンボ、原作を尊重したが最後、まともに成功しやしない。それを原作のテイストを見事に生かしつつ映画として成立させた前作のほうが例外中の例外で、普通は今回ぐらいでも「原作に忠実によく作ったね」と褒めてもらえるさ。ましてやホラー物の続編、人気クリーチャー活躍の場面は増やしたいし前作からストーリーは繋げたいし挙げ句の果てに3Dだし、と欲張ってしまうのが容易に予測つくなか、監督も違うとなれば、前作のテイストを期待するほうが間違ってるわけさ。
 
けどなあ(嘆息
前作は本当に凄かったんだ。
ゲームシナリオについて考えたい人、映画とゲームの違いは何かを知りたい人にこそ、映画化に成功してみせた前作は非常に刺激的であったのだ。原作ゲームの諸要素を、映画人がどう扱い処理したか、クリーチャーの独特の動きを作中で再現するだけでも、落とし込む方法ってのがきちんと考えられていた。けっして「映画のパチモンであるゲームムービーをそのまま映画に持ち込む」ようなことはしなかった。つまりゲームという新しい素材を、映画における新しさとしてちゃんと持ち込んでみせてくれていた。
今作みてしまうと、いかに前作が希有だったかと痛感させられる次第。
 
まあ。
しょうがない。
前作をレンタルで借りてくるか