ハンターハンター

 ゴンが少年漫画主人公のメタとして作られてて作品全体がゴンを語るためのものてのが基本的な作りだが、その「捩れ」た足場を差し置いて「内容」を外に持ち出せるかというと、できない。もちろんフィクションから何がしかを外に持ち出す必要はないのだが。キャラクターの台詞なり心理なりを持ち出し説明するにはどうしてもゴンについて語らざるをえず(だからイチイチ作中でゴンへの他人から見た評価を注釈のように細かく入れてく)すべてがゴンにつきまとわれ、しばしば少年漫画フォーマットとしての、という注釈が付け加えられることになる。ヒモのついてないコトバなんてありはしない、と嘯くのはこの場合あまり意味のある行為ではない。感想なり批評なりですらヒモを切った独立したコトバを求めて発せられるのだし。いまさらのように人体破壊の残虐描写の上にスクリーントーンを貼ってみせるというのも同じく。割と病気寸前だったんじゃないかと思うが再開おめでとうございます。

 ゴンのほうが父と子であるのに対してキメラアントの王のほうは母と子である、とか書いとけばいいのか。